学部の学生さんからメールをもらうと,しばしば,「片山教授」という呼びかけで始まっています.そのたびに,「 篠沢教授に全部 」というフレーズを思い出します. ちょっと微笑ましい.

実際は,高校の先生に呼びかけるときに 「糸色教諭.こんにちは」とはいわないで,「糸色先生.こんにちは」ですね.大学も同様です.「柳沢教授.さようなら.」よりも「柳沢先生.さようなら.」が一般的(分野や大学によって文化があり,先生という敬称は大学の創始者だけにつかうとか,研究者どうしは全部「さん」をつかうとかもありますが)です.

敬称としてでなく,名前をつけずに役職名だけで呼ぶことはあり得ます.社長,総長,部長,院長など長がつく様な役職(総理とか大臣とかも)の場合です.「社長.おはようございます.」 また,大学の中でも,所長や研究科長の先生に,教員同士という立場では無く,組織長と構成員の立場での発言では,「所長」とか,「研究科長」と呼びかけることはよくあります.しかし,教授は,そのような使いかたはしません.

なぜか,漫画やドラマでは,「教授」と呼びかけるシーンがよくあります. 多分,英語の翻訳の影響かなあと思っています. 英語では,Prof. Saegusa のようにProfが敬称です. 准教授や常勤講師の先生も,Professorという敬称を使うことが一般的です.名前をつけずに使うこともあります."Professor! Where are you going?" と,(学会の会場を間違えて変な方角にむかっていたら,親しい別の大学の先生に)呼び止められたことがあります.日本語に訳せば「先生! どこにいくつもり?」.

2021.11.01最終改訂